『2nd』別注 MADRAS ANORAK PARKA
『30代男性にとって、平日の仕事服が1st(最重要)だとしたら、休日のカジュアル服が2nd(2番目)。そんな休日スタイルを提案する、語れる洋服を集めた身近でリアルな大人のファッション誌』とコンセプトを掲げる “2nd” 様。
この度、D.C.WHITEと2nd様が完全別注にてアイテムを製作しました。完成したのがこちら。
マドラスアノラックパーカ ¥22,800
『アノラックの歴史』
まずは歴史の確認から。
アノラックの誕生は、アラスカ州。イヌイット(旧称 : エスキモー)により作られた防寒具がルーツとされています。
アザラシや鹿の皮から肉をこそぎ落とし、女性が丹念に皮を噛む独特のなめし方で衣類用素材へと加工、裏側には毛を貼り付け、腸をねじって作った糸を用い縫製をしてパーカを作り上げていました。
それもそのはず、アラスカはその極寒の環境から自生する植物がほぼ存在せず、衣類の素材は狩猟した動物から作り上げられていました。
その防寒性や密閉性の高さから、後に軍用着としても用いられ始めました。
防寒性を求められる空軍パイロットや船上の甲板員、密閉性を求められる毒ガス工場作業員用など、様々な現場で制服化し始めました。
軍用着として採用された衣類が戦争終了後に一般市民に広がることはよくあることで、例えばM65ジャケットやチノパンなどがそれにあたります。
同様に、アノラックパーカが軍用着として採用されたのち、簡素なつくりとなり一般社会に普及し始めました。
ここでやっと、D.C.WHITE の根底とつながるアイビースタイルの登場です。
一般社会に普及しだしたアノラックパーカは、当時の大学生協などでも スポーツウェア / レインウェア として販売されていました。このことから、現在もアイビースタイルの定番アイテムとしてアノラックパーカが数えられることとなったのです。
MADRAS ANORAK PARKA
前置きが長くなりましたが...
今回制作されたアイテムのベースとなったマインドは「チープシック」。
1975年、アメリカの女性ジャーナリスト、カテリーヌ・ミリネア / キャロル・トロイが製作した名著『Cheap Chic』が語源となるワードです。
『Cheap Chic』では、オックスフォードのB.D.シャツにリーバイスのデニム、足元にはトップサイダーのデッキシューズなど、アイテムとしてはベーシックで安価なものを上品に着こなすといった現代のアメリカンカジュアル / アメリカントラッド に通ずる精神性が提示されていました。
そういった考え方のもと、「遊び心」と「上品さ」という一見相反するキーワードを適当な塩梅でミックスし、大人が着用できるアノラックパーカを製作しました。
ヴィンテージだとアルミなど安価なものが多いところを、アンティークゴールドメッキジッパーを使用。
ジッパーを上下させた際も重厚感を感じさせる本格的な作りです。
パターンの重なる部分は柄合わせ。控えめな上品さを演出します。
ヴィンテージによく見られるフロントポケットも完備。
フラップを留めるボタンもデザインのアクセントです。
「アイビースタイルを現代的に表現する」という D.C.WHITE のシグネチャーのもと、今着れるアイビーウェアを実現しました。